本日は時制の一致について解説していきます。
時制の一致とは、主節の動詞が過去形になった場合、それに合わせて従属節の動詞も過去形や過去完了形の形にすることをいいます。
※主節とはメインとなる動詞がある文をいい、従属節とは主節に従う文をいいます。
この概念は日本語に存在しない考え方であるため、会話の中で使いこなすことが難しいものとなりますが、英語をマスターするためには必須となりますのでここでしっかり理解していきましょう。
まずは、時制の一致がどのようなものであるか見てみましょう。
例えば、「私は父親は家にいると思った。」を英語で表すと’I thought that my father was at home.’となり、主節の動詞が過去形のためそれに合わせて従属節の動詞も過去形にします。
英語ではこのように時制を一致させますが、日本語では時制の一致は行いませんよね。
もし時制を一致させると、「私は父親は家にいたと思った。」なりますが、これでは意味が違ってきてしまいます。
このように日本にはない概念であるため最初は理解が難しいと思います。
しかし、何度も練習することで身体に染み付いてくるようになりますので、このパートでしっかり理解していきましょう。
理解できれば、あとは音読や独り同時通訳練習を繰り返すことによって身についてきます。(独り同時通訳練習については下記を参考にしてください。)
参考:実はコレだけ!日常会話レベルの英語が話せるようになるスピーキング勉強法
それでは解説を進めていきます。
時制の一致の基礎
それでは、時制の一致についてご説明していきます。
冒頭でもご説明しましたが、時制の一致とは主節の動詞の時制に合わせて、従属節の動詞の時制が変化することです。
時制の一致を受けた場合、従属節の動詞は次のパターンで変化します。
現在形 → 過去形
過去形 → 過去完了形(または過去形)
現在完了形・過去完了形 → 過去完了形
このように、基本的に時制を1つ過去にずらします。
早速、例文で確認してみましょう。
I think my mother is at the supermarket.
母親はスーパーマーケットにいると思います。
I thought my mother was at the supermarket.
母親はスーパーマーケットにいると思いました。
このように主節の動詞の時制が過去にずれると、従属節の動詞の時制も過去にずれます。
同様の例文をもう1つみてみましょう。
I tell him that she is going to the park.
私は彼女は公園に行っていると彼に伝えます。
I told him that she was going to the park.
私は彼女は公園に行っていると彼に伝えました。
時制の一致のパターン3つについて
ここでは、時制の一致が変化する3つのパターンについて詳しくみていきます。
- パターン1:現在形 → 過去形
- パターン2:過去形 → 過去完了形(または過去形)
- パターン3:現在完了形・過去完了形 → 過去完了形
まずは、1つ目から見ていきましょう。
パターン1:現在形 → 過去形
まずは1番多い基本的な時制の一致である、従属節を現在形から過去形に変化させるパターンについて学習しながら時制の一致は何であるか、について学んでいきましょう。
このパターンの場合、主節の動詞が過去形の場合は従属節の動詞も過去形に変化させます。
例えば、
I think he has a cold.
彼は風邪を引いていると思います。
こちらの文章は、現在のことを表現しており、主節も現在時制のため、従属節も現在時制です。
では、過去形にするとどうでしょうか?
I thought he had a cold.
彼は風邪を引いていると思いました。
このように過去のことを表す場合は、主節が過去形となるため従属節も過去形に変化させます。
例文を見てみましょう。
He says she is sick.
彼は彼女は病気だと言います。
He said she was sick.
彼は彼女は病気だと言いました。
もう1つ見てみましょう。
I think he goes to school.
私は彼は学校に行っていると思います。
I thought he went to school.
私は彼は学校に行っていると思いました。
パターン2:過去形 → 過去完了形(または過去形)
次に従属節を過去完了形(または過去形)にするパターンを見てみましょう。
パターン1で見た次の例文について考えてみましょう。
I thought he had a cold.
彼は風邪を引いていると思いました。
こちらの時制を一致させると下記のようになります。
I thought he had had a cold.
彼は風邪を引いていたと思いました。
基本的には、従属節を過去完了形にしますが、意味や時の関係に混乱が生じない場合、くだけた会話では次のように過去形で使っても大丈夫です。
I thought he had a cold last week.
彼は先週風邪を引いていたと思いました。
それでは、例文を見てみましょう。
He said she was sick.
彼は彼女は病気だと言いました。
He said she had been sick.
彼は彼女は病気だったと言いました。
もう1つ見てみましょう。
I thought he went to school.
私は彼は学校に行っていると思いました。
I thought he had gone to school.
私は彼は学校に行っていたと思いました。
パターン3:現在完了形・過去完了形 → 過去完了形
最後に従属節を現在完了形・過去完了形から過去完了形(または過去形)にするパターンを見てみましょう。
従属節が現在完了形の場合は、過去完了形に変化させます。
例えば、
I think he has had a cold since last week.
彼は先週からずっと風邪を引いていたと思います。
の例文の時制を一致させると次のようになります。
I thought he had had a cold since last week.
彼は先週からずっと風邪を引いていたと思いました。
では、次のように従属節がすでに過去完了形の場合はどうなるでしょう?
I think he had had a cold until last week.
彼は先週までずっと風邪を引いていたと思います。
この場合、時制をこれ以上ずらすことができないため、過去完了形のままとなります。
I thought he had had a cold until last week.
彼は先週までずっと風邪を引いていたと思いました。
それでは、例文で確認してみましょう。
He says she has been sick.
彼は彼女は病気だと言いました。
He said she had been sick.
彼は彼女は病気だったと言いました。
もう1つ見てみましょう。
I think he has gone to school.
私は彼は学校に通っていると思いました。
I thought he had gone to school.
私は彼は学校に通っていたと思いました。
ここまで、時制の一致について解説してきました。
時制の一致は、日本語にはない概念であるため最初は理解が難しいと思います。
しかし、何度も練習することで身体に染み付いてくるようになりますので、しっかり理解し、音読や独り同時通訳練習を繰り返して身につけていきましょう!