ここでは関係代名詞のうち、関係代名詞の前に前置詞を置くパターンについて解説していきたいと思います。
関係代名詞の前に前置詞を置くパターンとは、in whichやto whomなどですが、これらを見て違和感を覚える方もいらっしゃるのではないかと思います。
あまり見ない形ですので、文法を理解していないとおかしいと思ってしまいますよね。
しかし、このような使い方も間違いなどではなく、正しい関係代名詞の使い方となりますので、ここで作り方や使い方を学んでいきましょう。
なお、この前置詞+関係代名詞は雑誌や新聞などの堅い文章や、フォーマルのスピーチなどで使用されることが多く、日常会話では通常の関係代名詞(前置詞は関係代名詞が導く節のうしろに置く)の使い方をすることが多いです。
実際、私も新聞や雑誌を読んだりする中で、この関係代名詞の文章に出会ったことはたくさんありますが、もちりん理解できているため難しい文章でも読みこなせますし、さらに仕事なので文を書く際にも引き締まった文章を書くことができています。
もし、皆さんの中で堅い言葉なので自分で使う機会がないと思っている方がいらっしゃっても、最低限リーディングやリスニングで理解できるようになることも大切ですので、ここでしっかり学んでいきましょう。
前置詞+関係代名詞の作り方
それでは、前置詞+関係代名詞の作り方について見ていきましょう。
関係代名詞が前置詞の目的語になる場合の前置詞の位置は次の2つのパターンとなります。
- 関係代名詞が導く節の終わりに置かれる
- 関係代名詞の前に置かれる
1つ目のパターンは以前「関係代名詞とは?分かりやすく解説します」の記事で学んでいただいたものとなりますので、作り方が分からない場合は先にこちらの関係代名詞の記事で学んでくださいね。
まずは、関係代名詞が導く節の終わりに前置詞が置かれるパターンについて復習し、そのあと関係代名詞の前に置くパターンを見ていきましょう。
I bought a CD which she was listening to yesterday.
私は彼女が昨日聞いていたCDを買った。
このように前置詞が節の終わりに置かれるパターンの他に、前置詞+関係代名詞で表すこともできます。
I bought a CD to which she was listening yesterday.
私は彼女が昨日聞いていたCDを買った。
作り方はとても簡単で、前置詞を関係代名の前に置くだけです。
どちらのパターンも同じ意味にはなりますが、前置詞+関係代名詞のパターンの方がフォーマルで、特に文書などでよく使われ、前置詞がうしろにくるパターンはくだけた会話でよく使われます。
それでは、例文でそれぞれのパターンを確認していきましょう。
I went to the park which our children were playing in.
I went to the park in which our children were playing.
私は子どもたちが遊んでいる公園に行った。
もう1つ見てみましょう。
He bought a wallet which she was looking for.
He bought a wallet for which she was looking.
彼は、彼女が探していた財布を買った。
気をつけたい前置詞+関係代名詞の使い方
ここでは、使い方に気をつけたい前置詞+関係代名詞について、次の2つを個別に見ていきます。
- who
- whose
まずは、whoから確認していきましょう。
who
関係代名詞whoが前置詞の目的語になる場合、to whoとすることはできません。
代わりに同じ目的格の関係代名詞whomを使って、to whomとしましょう。
まずは、次の文を前置詞+関係代名詞で表したい場合を見てみましょう。
I met a woman who he was talking to.
私は彼が話していた女性に会った。
to whoとすることができないため、whomを使って次のように表します。
I met a woman to whom he was talking.
それでは他の例文で確認してみましょう。
I visited a man from whom my young brother borrowed the money.
私は弟がお金を借りた男性のところを訪れました。
この場合、’I visited a man from who my brother borrowed the money.’とすることはできません。
もう1例文確認してみましょう。
My mother gave a gift to a man for whom I was working.
母が私が働いていたところの男性へ贈り物をした。
この場合も、’My mother gave a gift to a man for who I was working.’とすることはできません。
whose
whoseを使う場合、of whichに書き換えることが可能です。
なお、先行詞が人の場合はof whichにすることができないので留意しましょう。
例えば、以下の例文を見てみましょう。
I’m living in a house whose garden is very big.
私は庭がとても広い家に住んでいます。
この文をはof whichを使って前置詞+関係代名詞の文に書き換えることができます。
I’m living in a house the garden of which is very big.
名詞が2つ続いて違和感があるかもしれませんが、which(先行詞はhouse)が2つの文を繋いでいます。
例文を見てみましょう。
I bought a book whose cover is blue.
I bought a book the cover of which is blue.
私は表紙が青い本を買った。
もう1例文を見てみましょう。
He is living in a house whose roof is painted red.
He is living in a house the roof of which is painted red.
彼は屋根が赤い家に住んでいます。
ここまで、前置詞+関係代名詞について、作り方や使い方をご説明し、気をつけたい関係代名詞(who、whose)についてご紹介していきました。
この関係代名詞の使い方はあまり馴染みがない方もいらっしゃるかと思います。
単語の並びが不自然なので誤りかと思ってしまいますよね。
しかし、関係代名詞の前に前置詞を置くこの使い方は、新聞や雑誌などの書き言葉、特にフォーマルな文書などで使用される文法で、英語学習者の方には知っておいていただきたいものとなります。
日常会話では通常の関係代名詞が使われることが多いですが、いざ出会った時に理解ができないと文章が全く理解できないということになりかねませんので、ここでしっかり作り方を理解しましょう。
また、このように、書き言葉で使われることが多い文法を覚えるのにも、音読は有効ですので、身につける際にはこれまでも行っていただいてきたように音読をして身につけていただきたいと思います。
はじめのうちは、スラスラと音読できないかもしれませんが、ぜひご紹介した例文を何度も音読して体に染み込ませてくださいね!