本日は、仮定法におけるif節の省略や代用についてご説明していきたいと思います。
今回ご説明していく内容は仮定法の基礎が身に付いていることが前提となりますので、まだ仮定法について勉強されていない方は下記の記事で学習集してからこの記事を読んでくださいね。
仮定法とは事実に反する事柄や現在または未来に起こる可能性の低い事柄について述べる文法でした。
文の構造としては条件節としてifで始まる節が続いたり、時制を1つ過去にずらすことが特徴だったと思います。
しかし、実際にはif節や帰結節が省略されたり、不定詞や分詞構文などで代用されたりすることもあります。
それを知らずにそのような文章に出会ってしまったら、何を言っているのか分からなかったり、誤訳してしまう恐れがありますよね。
ですが、実際の場ではそのように省略されたり他の文法で代用されたりする場合があることを知っていれば、対応できると思います。
理解できればそれほど難しくはないですし、代用表現を使うことで通常の仮定法を使うよりも会話が楽になることもありますのでしっかり勉強していきましょう。
それでは、解説を進めていきたいと思います。
条件節や帰結節の省略について
まずは、下記の流れで条件節や帰結節の省略についてご説明したいと思います。
- 条件節の省略
- 帰結節の省略
1つ目から見ていきましょう。
条件節の省略
実際の会話の場面では、「〜しようと思えば」や「ひょっとしたら〜」などの意味を表す条件節(if節)が省略され、帰結節だけが残る場合があります。
例えば次の文を見てみましょう。
I could speak English more fluently.
私ならもっと流暢に英語を話せるけどね。
これはI could speak English more fluentlyの前の条件節が省略されています。
省略されていない文は下記のとおりです。
If I spoke English, I could speak English more fluently.
もし私が英語を話そうと思えば、もっと流暢に英語を話せるけどね。
見分け方としては、文中に助動詞の過去形がある場合は、基本的に条件節が省略された仮定法と見てよいでしょう。
それでは、例文を見てみましょう。
He would be a great doctor.
彼は(なろうと思えば)素晴らしい医者になるだろうなあ。
もう1文見てみましょう。
I could eat a horse.
(馬を食べようと思えば食べられるくらい)腹ぺこです。
こちらは決まり文句になりますのでこのまま覚えましょう。
帰結節の省略
次に帰結節の省略についてご説明します。
会話では、仮定の結果を表す帰結節が省略されて、条件節だけが残る場合がよくあります。
この省略は、願望を表す表現(「If only+would/could+動詞」など)に多い省略となります。
早速、例文で確認してみましょう。
If only I could speak English!
英語が話せればなあ!
もう1つ見てみましょう。
If only I could meet her again.
もう1度、彼女に会うことができればなあ。
if節の代用について
次にif節の代用についてご説明していきます。
if節は以下の文法で代用されることがあります。
- 不定詞
- 分詞構文
- 副詞(句)
- 主語の名詞
上から1つずつ見ていきましょう。
不定詞
まずはto不定詞ですが、to不定詞でif節の代用をすることが可能です。
早速、例文で確認してみましょう。
To talk with her, you would find her a kind person.
彼女と話せば、彼女が優しい人だということが分かるでしょう。
上記の文をifを用いて表すと、If you talked with her, you would find her a kind person.となります。
もう1つ見てみましょう。
To hear his talk, you would think him to be an honest person.
彼の話を聞くと、あなたは彼を正直者だと思うでしょう。
上記の文をifを用いて表すと、If you heard his talk, you would think him to be an honest person.となります。
分詞構文
分詞構文には条件を表す用法があるため、if節の代わりに使うことができます。
こちらもまず例文で確認してみましょう。
Speaking English, I could work abroad.
英語を話すことができれば、海外で働くことができるのになあ。
上記の文をifを用いて表すと、If I spoken English, I could work abroad.となります。
もう1つ見てみましょう。
Being promoted, I could get more salary.
もし昇進できれば、もっと給料を得ることができるのになあ。
上記の文をifを用いて表すと下記のような英文になります。
If I were promoted, I could get more salary.
副詞(句)
副詞(句)がif節の代用をする場合もあります。
助動詞が過去形になっているかどうかで見分けましょう。
まずは例文を見てみましょう。
With a little more care, you wouldn’t have made such a mistake.
もう少し注意していれば、そんな間違いをしなかったでしょうに。
別の例文も確認してみましょう。
Ten years ago, I could run faster.
10年前なら、もっと早く走ることができたのになあ。
主語の名詞
主語の名詞自体が条件の意味を含み、if節の代わりとなることも可能です。
こちらも、助動詞が過去形になっているかどうかで見分けましょう。
早速、例文で確認してみましょう。
A man of common sense wouldn’t do such a thing.
常識のある人なら、そのようなことはしないでしょう。
もう1つ確認してみましょう。
The person like her could change jobs soon.
彼女のような人であれば、すぐに転職することができるでしょう。
本日は、仮定法における条件節や帰結節の省略、if節の代用についてご説明してきました。
実際の会話では、仮定法の文章でも条件節や帰結節が省略されていたり、if節以外で仮定法の内容を表すことがあります。
これらについて理解していないと、話自体が分からなかったり、意味を履き違えてしまう可能性がありますので、今回ご説明したことをしっかり頭に入れておきましょう。
また、仮定法は時制をずらすことが必要ですが、苦手な方も多いと思います。
そのような方は、今回ご説明してきたようにif節以外の文法で表現すれば、時制をずらす手間が省けてよりスムーズに会話ができると思います。
例文を何度も音読したり、自分でも文章を作っていただき、よりご自身にとって使いやすい文法を見つけていきましょう。