本日は仮定法過去や仮定法過去完了以外の様々な仮定法についてご紹介していきたいと思います。
この記事では仮定法についての基礎知識があることが前提になりますので、まだ仮定法について学んだことのない方は、下記の記事で勉強を進めてからこの記事を読んでくださいね。
まずは、簡単に仮定法の復習ですが、仮定法は事実に反する事柄や現在または未来に起こる可能性の低い事柄について述べる文法です。
仮定法と言うと、これまでに勉強してきた仮定法過去や仮定法過去完了が代表的ですが、みなさんはその他にも仮定法があることをご存じですか?
なかなか他の仮定法がすぐに出てこないと思いますが、実は仮定法過去や仮定法過去完了以外にも以下のような仮定法があるんです。
- 仮定法現在
- were toを用いた仮定法
- sholdを用いた仮定法
- wish構文
上記仮定法について全て分からないという方でも、願望を表すwish構文は聞いたことがあるのではないでしょうか?
本日は、未来を表す仮定法である仮定法現在、were toを用いた仮定法、sholdを用いた仮定法をまずご説明し、次に願望を表す仮定法であるwish構文についてご説明していきたいと思います。
それでは説明に入っていきます。
未来を表す仮定法
まずは、未来を表す仮定法として下記の3つの仮定法をご説明していきます。
- 仮定法現在
- were toを用いた仮定法
- shouldを用いた仮定法
1つ目から見ていきましょう。
未来を表す仮定法1:仮定法現在
仮定法現在は、現在または未来の不確実な仮定を表す仮定法です。
この仮定法現在は現代では使われることは少なく、慣用表現や法律の文言などの格調を重んじる文章で使われることが主で、通常は仮定法現在の代わりに直説法現在が使われます。
このように、出会う頻度は少ないと思いますが、書き言葉で出会った際に分かるようにしておきましょう。
まず、仮定法現在の作り方ですが、語順は下記のとおりです。
仮定法現在の語順
If+主語+動詞の原型, 主語+動詞+(目的語)
このように条件節(Ifから始まる節)の動詞が原型となることに留意しましょう。
それでは、例文で確認してみましょう。
I will help you with your work if need be.
必要なら、仕事を手伝いますよ。
上記文章では、if need beが仮定法現在となっているため動詞は原型になっています。
if need beは慣用表現のためこのまま覚えましょう。
もう1文見てみましょう。
If she be found not guilty, a lot of people will be surprised.
もし彼女が無罪の判決を受けた場合、多くの人が驚くでしょう。
上記文章では、If she be found not guiltyが仮定法現在となっているため動詞は原型になっています。
未来を表す仮定法2:were toを用いた仮定法
次にwere toを用いた仮定法についてご説明します。
この仮定法は未来の実現可能性が乏しい場合、ほとんど実現しない場合に使われます。
まずは語順を見てみましょう。
were toを用いた仮定法の語順
If+were to+動詞の原型, 主語+助動詞の過去形+動詞の原型+(目的語)
基本的には主語が1人称、3人称の場合もwereを用いますが、wasを使ってwas toとすることもあります。
それでは例文で確認してみましょう。
If the Pacific Ocean were to dry up, my brother would not come home.
例え太平洋が干上がるようなことがあっても、兄は家には帰ってこないでしょう。
もう1文見てみましょう。
If I were to quit my job, what would she say?
もし私が仕事を辞めるなら、彼女は何と言うでしょう?
未来を表す仮定法3:shouldを用いた仮定法
最後にshouldを用いた仮定法についてご説明します。
shouldを用いた仮定法は「万一〜ならば」という意味を表し、実現するかどうかわからないが、話し手が実現する可能性が低いと思っている場合に用いられます。
語順は次の通りです。
shouldを用いた仮定法の語順
If+主語+should+動詞の原型, 主語+助動詞の過去形/現在形+動詞の原型+(目的語)
早速、例文で確認してみましょう。
If it should rain, we will call off camping.
雨が降る場合は、キャンプを中止にします。
もう1文見てみましょう。
If he should not come to the party, she would not come as well.
彼がそのパーティーに来ないなら、彼女も来ないでしょう。
願望を表す仮定法
次に願望を表す仮定法についてご説明します。
願望を表す仮定法には、一般的にwish構文と呼ばれているwishを使った言い方があります。
この仮定法は、現実には実現困難な願望を表し、「〜したらなあ」というような訳になります。
語順は次の通りです。
wish構文の語順
I+wish+名詞節
名詞節の中の動詞は通常の仮定法同様に時制を過去に1つずらします。
例えば次の例文を見てみましょう。
I wish she could pass the university entrance examination.
彼女が大学入試に合格できたらなあ。
この文章では、名詞節の助動詞の時制を1つずらして過去形となっています。
また、名詞節の動詞がbe動詞の場合は、下記のように1人称や3人称の場合でもwereが使われます。
I wish she were my girlfriend.
彼女が私のガールフレンドだったらなあ。
なお、くだけた言い方ではwasも使われるので覚えておきましょう。
それでは、例文で確認してみましょう。
I wish I had had a lot of money.
お金をたくさん持っていたらなあ。
上記文では、過去にお金をたくさん持っていれば、ということを表しているため名詞節内の動詞は過去完了形となっています。
I wish I could be a professional soccer player.
プロのサッカー選手になることができたらなあ。
本日は、仮定法過去や仮定法過去完了以外の仮定法についてご紹介してきました。
仮定法には基本的な仮定法以外にも様々なものがあります。
中には仮定法現在のように現代では使われる場面が限られるものもありますが、wish構文のように頻繁に使われるものもありますので、使われる頻度が少ないものも含めてしっかり理解して使いこなせるようにしておきましょう。
仮定法にはまだまだ他にご紹介したいものがありますので、それはパート2としてご紹介していきますね!
それまでに、本日ご説明したことをしっかり頭に入れて、例文音読や独り同時通訳練習(思い浮かべた日本語を通訳するつもりで英文にする練習法)をしておいてくださいね!