今回は強調構文について解説していきたいと思います。
強調構文とは、その名のとおり単語やフレーズなど強調したい事柄があるときに使われる構文です。
こちらは日常会話でも使われる便利な表現ですが、仮主語(形式主語)の形と似ているため見分けがつかないとお悩みの方もいらっしゃると思います。
しかし、見分け方はとても簡単で次の2つです。
・It isのあとが形容詞であれば仮主語の文
・It isとthatを取り除いたあとの文章が不完全であれば仮主語の文
※仮主語については下記の記事を参考にしてください。
例えば、次の2つのうち、強調構文の文章はどちらでしょうか?
- It is surprising that he passed the English examination.(彼が英語の試験に合格したことは驚きだ。)
- It is the English examination that he passed.(彼が合格したのは英語の試験だ。)
1番はIt isのあとが形容詞ですし、It isとthatを取り除くとsurprisingが余分な単語となってしまい完全な文章となりません。
本日は、見分け方を含めた強調構文の使い方を詳しく見ていきます。
強調構文の使い方
それでは、強調構文について次の2つをご説明していきます。
- 強調構文
- Doを使った強調構文
1つ目から見ていきましょう。
強調構文
It is とthatの間に強調したい単語(名詞、代名詞)、句や節を入れて強調する表現を強調構文と言います。
語順は次の通りです。
強調構文の語順
It+be動詞+強調したい単語、句、節+that
例えば、
She lives in Hong Kong last year.
彼女は去年、香港に住んでいました。
という文章で、住んでいる場所を強調したい場合は、
It is Hong Kong that she lived last year.
彼女が去年住んでいた場所は香港です。
となり、誰が住んでいたかを強調したい場合は、
It is she that lived in Hong Kong last year.
香港に去年住んでいたのは彼女です。
となります。
また、いつ住んでいたのかを強調したい場合は、
It is last year that she lived in Hong Kong.
彼女が香港に住んでいたのは去年です。
となります。
このように、強調したい単語などをIt+be動詞とthatの間に置くだけで強調構文を作ることができます。
それでは、例文を見てみましょう。
It is coffee that she likes very much.
彼女がとても好きなのはコーヒーです。
もう1つ確認しましょう。
It is because this cafe was very cold that I stayed for only 10 minutes.
私がこのカフェに10分しかいなかったのは、室内がとても寒かったからです。
Doを使った強調構文
動詞の前にdoを置くことによってその動詞を強調することができます。
語順は次のとおりです。
Doを使った強調構文
主語+do(does)+動詞の原型+(目的語)
主語が三人称単数や時制が過去形などの場合はdoを変化させて、動詞は原型になることに留意しましょう。
それでは、早速例文で確認していきましょう。
You do like sushi.
あなたは本当にお寿司が好きですね。
もう1つ見てみましょう。
She does work hard.
彼女は本当に一生懸命仕事をしてくれます。
強調構文と仮主語の文の見分け方
次に強調構文と仮主語Itの文の見分け方についてご説明していきます。
冒頭でもご説明したとおり、仮主語Itの文もIt is 〜 thatという形で始めるため、一見強調構文と同じように見えます。
しかし、次の2つのポイントに沿って見分けることが可能です。
- It isのあとが形容詞であれば仮主語の文
- It isとthatを取り除いたあとの文章が不完全であれば仮主語の文
まず、1つ目の「It isのあとが形容詞であれば仮主語の文」から考えていきましょう。
強調構文と仮主語の文を見分けるポイント1:It isのあとが形容詞であれば仮主語の文
仮主語の文章の場合はIt isのあとに形容詞が続くのに対し、強調構文の場合は名詞や代名詞、句や節が続きます。
では、次の文について考えてみましょう。
It is wonderful that she got a full score on TOEIC.
彼女がTOEICで満点を取ったことは素晴らしいことです。
この文はIt isのあとに形容詞wonderfulが続いているため、強調構文ではなく仮主語Itの文だということが分かります。
それでは、例文で確認してみましょう。
It is a full score that she got on TOEIC.
彼女がTOEICで取ったのは満点だ。
こちらは先ほどの文と似たような文章ですが、It isのあとが形容詞ではなく、名詞になっており、a full scoreを強調した強調構文となります。
もう1つ確認してみましょう。
It was a good time that I had with my friends.
私が友人たちと過ごしたのは良い時間でした。
こちらは一見It wasのあとに形容詞が続くように見えますが、goodはtimeにかかっているため名詞のa good timeが続いています。
強調構文と仮主語の文を見分けるポイント2:It isとthatを取り除いたあとの文章が不完全であれば仮主語の文
次に、2つ目の「It isとthatを取り除いたあとの文章が不完全であれば仮主語の文」についてご説明していきます。
It isの文章からIt isとthatを取り除いたあとに、元の文章を考え、余分な単語があり文章が不完全な場合は仮主語の文となります。
例えば、ポイント1で見た例文で考えてみましょう。
It is wonderful that she got a full score on TOEIC.
上記文章からIt isとthatを取り除くとwonderfulとshe got a full score on TOEICが残ります。
これらの元の文章を考えてみても、適切な文章とはならずwonderfulが残るため、この文章は仮主語の文と判断することができます。
それでは例文で確認していきましょう。
It is some books that I bought yesterday.
私が昨日買ったのは何冊かの本です。
上記の文章からIt isとthatを除くとsome books と I bought yesterdayが残ります。
元の文章を考えると’I bought some books yesterday.’となり完全な文章となるためこちらは強調構文の文章と判断することができます。
もう1つ見てみましょう。
It is she that I often go to drink with.
私がよく飲みにいくのは彼女です。
こちらも、文章からIt isとthatを除くとsheと I often go to drink withが残ります。
元の文章を考えると’I often go to drink with her.’となり完全な文章となるためこちらは強調構文の文章と判断することができます。
ここまで強調構文についてご説明していきました。
強調構文は会話でもよく使われる文法ですので、仮主語との見分け方を身につけて会話で使いこなせるようにしていきましょう!