今回は第5文型の受動態について解説していこうと思います。
これまで、下記の記事で通常の受動態の作り方や、現在進行形やto不定詞などのさまざまな受動態の作り方についてご説明してきました。
参考:さまざまな受動態の形について学ぼう!(現在進行形、句動詞、to不定詞、動名詞)
第5文型の受動態は通常の受動態や、これまでご説明したさまざまな受動態と作り方が異なっているのですが、みなさんは作り方についてご存じでしょうか?
すぐに作り方が出てこない方もいらっしゃると思いますので、まずは例文を見てみましょう。
例えば、第5文型の受動態には次のようなものがあります。
The students were given extra homework by the teacher.
生徒たちは先生から追加の宿題を与えられた。
この文章の能動態の文章は下記の通りです。
The teacher gave the students extra homework.
先生は生徒たちに追加の宿題を与えた。
このように第5文型を受動態にする際には、補語を残して第2文型の文章にします。
上記説明だけではなかなか理解が難しいと思いますので、本日はこの第5文型の受動態について解説をしていきたいと思います。
第5文型の受動態:補語が名詞、形容詞の場合
それでは、第5文型の受動態についてご説明していきます。
まずは第5文型の文章で、補語が名詞や形容詞の場合の作り方を見ていきたいと思います。
第5文型の受動態では、「主語+動詞+目的語+補語」の目的語が主語となるため、「主語(第5文型の目的語)+動詞+補語」と、第2文型になります。
語順を整理すると以下の通りです。
第5文型の受動態の語順
主語+be動詞+過去分詞+補語(+ by 動作主)
例えば、下記の第5文型の英文を受動態の文章に直してみましょう。
They gave the winner a gold medal.
彼らは勝者に金メダルを与えました。
第5文型の文章のため、目的語のthe winnerを主語にし、補語のa gold medalはそのまま残します。
The winner was given a gold medal (by them).
勝者は金メダルを与えられました。
このようにして受動態の文章を作ります。
なお、by以降は通常省略可能ですが、付け加えても問題ありません。
それでは、他の例文も確認してみましょう。
He was elected president (by them).
彼は大統領に選ばれました。
上記文章の能動態の文章は次のとおりです。
They elected him president.
人々は彼を大統領に選びました。
もう1文確認してみましょう。
The dog was named Lucky by her.
その犬は彼女にラッキーと名付けられました。
上記文章の能動態の文章は次のとおりです。
She named the dog Lucky.
彼女はその犬をラッキーと名付けました。
第5文型の受動態:補語がto不定詞、分詞の場合
次に第5文型の受動態について補語にto不定詞や分詞がくるものについて次の順でご説明していきます。
- 補語がto不定詞の場合
- 補語が分詞の場合
まずは1つ目から見ていきましょう。
補語がto不定詞の場合
第5文型の文章で補語にto不定詞がくる場合も、受動態にした際には「主語(第5文型の目的語)+動詞+補語」と、第2文型になります。
語順も同じですが、再度確認しましょう。
第5文型の受動態の語順
主語+be動詞+過去分詞+補語(+ by 動作主)
上記のように、目的語が主語となり、補語をそのまま残します。
by以降は通常省略しますが、付け加えても問題ありません。
まずは、以下の第5文型の文章を受動態の文章にしてみましょう。
They asked him to join the meeting.
彼らは彼にその会議に参加するようにお願いしました。
受動態にする場合は、目的語のhimを主語に持っていき、補語である to join the meetingはそのまま残します。
あとは通常の受動態の作り方と同様です。
He was asked to join the meeting (by them).
彼は彼らにその会議に参加するようお願いされました。
それでは、他の例文も見てみましょう。
The players were told to practice harder (by the coach).
選手たちは、もっと一生懸命練習するようコーチに言われました。
上記文章の能動態の文章は次のとおりです。
The coach told the players to practice harder.
コーチは選手たちにもっと一生懸命練習するよう言いました。
もう1文を見てみましょう。
She was expected to finish the report on time (by the manager).
彼女はマネージャーに、その報告書を時間通りに終わらせるよう期待されていました。
上記文章の能動態の文章は次のとおりです。
The manager expected her to finish the report on time.
マネージャーは、彼女がその報告書を時間通りに終わらせることを期待しました。
補語が分詞の場合
次に補語に分詞がくる場合についてご説明していきます。
補語が分詞の場合も、語順や作り方は補語に名詞・形容詞・to不定詞がくる場合と同様です。
まずは次の能動態の文章を受動態に直してみましょう。
She keeps the door opening.
彼女はドアを開けたままにしておきました。
この第5文型の文章を受動態にする場合は、目的語のthe doorを主語に持っていき、補語であるopeningはそのまま残して次のような文章にします。
The door is kept opening.
ドアが開けたままにされています。
それでは別の例文を見てみましょう。
The suspect was caught running away (by the police).
その容疑者は警察によって、逃げているところを捕えられました。
上記の文章の能動態の文章は次のとおりです。
The police caught the suspect running away.
警察はその容疑者が逃げているところを捕まえました。
もう1つ見てみましょう。
The door was found locked (by us).
ドアがロックされていることが知られました。
上記の文章の能動態の文章は次のとおりです。
We found the door locked.
ドアがロックされていることが分かりました。
ここまで、第5文型の受動態についてご説明してきました。
第5文型の受動態は、これまでご説明してきた通常の文章の受動態やto不定詞などの文章の受動態とは少し作り方が異なります。
しかし、目的語を主語に持っていき、補語をそのまま残すことを押さえておけばあとは通常の受動態と作り方は同じですので、ポイントをしっかり押さえていただければと思います。
いつもと同じように、例文を何度も音読したり独り同時通訳を行ってマスターしてくださいね!
※独り同時通訳については下記を参考にしてください。