本日は、擬似関係代名詞についてご説明していきたいと思います。
擬似関係代名詞とは、本来は接続詞であるas、but、thanが、関係代名詞のように用いられるものをいいます。
「擬似関係代名詞」という文法用語自体あまり聞いたことがないかもしれませんがみなさんはご存じでしょうか?
ご存じでない学習者の方が多いと思いますが、日常会話でも使われる関係代名詞ですのでこの機会に理解していただければと思います。
まずは、擬似関係名詞とはどのようなものか例文を見てみましょう。
I want to get such jobs as give me a lot of experience.
私はたくさんの経験を与えてくれるような仕事に就きたいです。
上記の分は擬似関係代名詞asを使った例文で、本来は接続詞のはたらきをするasがここでは関係代名詞のようなはたらきをしています。
一見、難しそうですが、しっかり仕組みを理解すれば会話でも使用することができますので、頑張って学習していきましょう。
それでは、解説を行っていきます。
擬似関係代名詞1:as
それではまず、擬似関係代名詞asについて解説していきます。
擬似関係代名詞のasは特定の語と相関的に用いられることが多いため、その語を中心に下記の通りご説明していきます。
- such A as 〜
- as A as 〜
- the same A as 〜
- 主節やその一部を先行詞とする場合
1つ目から見ていきましょう。
such A as 〜
such A as 〜で「〜するようなA」という意味になります。
asが関係代名詞としての役割を果たし、先行詞Aを説明します。
asは主格および目的格のはたらきをします。
例えば、冒頭でご紹介した例文のasは主格のはたらきをし、先行詞jobsを説明しています。
I want to get such jobs as give me a lot of experience.
私はたくさんの経験を与えてくれるような仕事に就きたいです。
また、下記の文でのasは目的格としてのはたらきをしており、同じく先行詞jobsを説明しています。
I want to get such jobs as I’m able to experience from.
私はたくさんのことが経験できるような仕事に就きたいです。
それでは例文を見てみましょう。
You should make such friends as help you.
あなたを助けてくれるような友人を作るべきです。
もう1つ見てみましょう。
I want to read such books as I’m able to learn a lot of things from.
私はたくさんのことを学べるような本を読みたいです。
as A as 〜
比較級の同等比較の中のas(2つ目のas)が擬似関係代名詞の役割を果たすこともあります。
まずは次の例文を見てみましょう。
I don’t have as expensive a bag as she has.
私は彼女が持っているのと同じくらい高価なカバンを持っていません。
上記文章は比較の同等比較の文章で「〜と同じくらい・・・」という意味を表し、最初のas(副詞)は「同じくらい・・・」という意味です。
2つ目のasが擬似関係代名詞(目的格)となり、bagを修飾しています。
それでは例文で確認してみましょう。
She has as many difficult books as he reads.
彼女は彼が読んでいるのと同じくらいたくさんの難しい本を持っています。
もう1つ見てみましょう。
I bought as cheap clothing as he threw away.
私は彼が捨てたのと同じくらい安い服を買ってしまいました。
the same A as 〜
the same A as 〜は「〜と同じA」の意味となります。
asが関係代名詞の役割を果たしAを修飾します。
このパターンでは、通常の関係代名詞と同じ作り方であり、asを関係代名詞thatで言い換えることが可能です。
早速、例文で確認していきましょう。
I bought the same car as he bought last month.
私は、先月彼が買った車と同じ車を購入しました。
もう1つ見てみましょう。
He presented her the same wallet as she had.
彼は彼女が持っているのと同じ財布をプレゼントしてしまいました。
主節やその一部を先行詞とする場合
この使い方では、asがwhichと同じように主節の一部や全体を先行詞とします。
asの導く節が、主節よりも前に出ることが多いです。
次の例文で確認してみましょう。
As you know, she quit her job.
知っていると思いますが、彼女は仕事を辞めました。
この文章では、she quit her jobがasの先行詞(目的格)となっています。
また、下記の文章のようにasが主格になることもあります。
As was expected, she quit her job.
予想されていた通り、彼女は仕事をやめました。
この文章でも、she quit her jobがasの先行詞で、she quit her jobは主語に当たります。
それでは、例文で確認していきましょう。
As everyone knows, all people are equal.
誰もが知っていることですが、全ての人々は平等です。
もう1つ見てみましょう。
As is often the case with her, she is not at home now.
彼女にはよくあることですが、彼女は今家にいません。
As is often the case withは「〜にはよくあることだが」という意味を表す慣用表現です。
擬似関係代名詞2:but
次に擬似関係代名詞のbutについてご説明します。
先行詞が否定の意味を持つ語の場合、butが関係代名詞のはたらきをし、that 〜 notの意味を表します。
この使い方は書き言葉で使われますが古い言い方です。
早速、例文で確認しましょう。
There is nobody but has faults.
欠点のない人は1人もいません。
もう1つ見てみましょう。
None came to her but were given food.
彼女のところに来て食べ物をもらえない人は誰もいなかった。
擬似関係代名詞3:than
最後に擬似関係代名詞のthanについてご説明します。
擬似関係代名詞のthanは比較級の中で用いられます。
次の例文を見てみましょう。
There was more food than was needed.
必要以上の食料がありました。
この文章では、more foodが先行詞となっており擬似関係代名詞than以下が修飾しています。
例文をさらに見てみましょう。
She spent more money than she has.
彼女は手持ち以上のお金を使ってしまいました。
もう1つ見てみましょう。
I bought more snacks than was needed.
私は必要以上のスナックを買ってしまいました。
ここまで、擬似関係代名詞についてご説明してきました。
擬似関係代名詞はあまり聞きなれない文法かと思いますが、会話でも使われるものが多いため、今回でしっかり理解できるように練習していきましょう。