ここでは、分詞構文の応用編として、接続詞+分詞構文、独立分詞構文、付帯状況などについて解説していきたいと思います。
分詞構文とは、分詞が動詞と接続詞のはたらきをして、その分詞の導く句が副詞句として用いられるものを言います。(分詞構文の詳しい使い方については次の記事を参考に勉強してみてくださいね。)
以前、上記の記事でご説明してきましたが、みなさん分詞構文を使えるようにはなりましたでしょうか?
分詞構文の勉強を進めたきた方は次のような疑問などを持つ方もいらっしゃると思います。
・分詞構文の前に接続詞がつく文章を見かけた。
・主節と従属節の主語が異なる場合は、絶対に分詞構文は使えないのか?
・付帯状況のwithとは?
・分詞構文の慣用表現を知りたい!
これらの疑問はとても大切なことに着目しており、さらに英語力を伸ばすためには、分詞構文についてもっと学ぶ必要があります。
そこで今回は、主に以下の3つについて説明していきたいと思います。
・接続詞+分詞構文
・独立分詞構文(主節の主語と従属節である分詞構文の主語が異なる分詞構文)
・付帯状況のwith
・分詞構文の慣用表現
この3点をマスターすればより分詞構文を使いこなすことができるため、ここでしっかり学習しましょう。
接続詞+分詞構文について
分詞構文の前に接続詞をおくことによって、分詞構文がどのような意味(理由、時など)で使われているのかが分かりやすくなります。
通常の分詞構文と接続詞+分詞構文を見比べてみましょう。
(通常の分詞構文)
Watching TV late last night, he was late for school today.
(接続詞+分詞構文)
Because watching TV late last night, he was late for school today.
どちらも意味は「彼は昨日の夜、遅くまでテレビを見ていたため、今日学校に遅刻した。」となります。
接続詞をつけてもつけなくても分詞構文としての文章は成立しますが、接続詞をつけることで、より相手が理解しやすくなります。
それでは例文で確認してみましょう。
While travelling to Australia, she met wonderful people.
オーストラリアへ旅行している間、彼女は素晴らしい人たちと出会った。
もう1つ見てみましょう。
Because having a cold last week, I was not able to study for tests.
先週、風邪を引いていたため、私はテストに向けて勉強ができなかった。
独立分詞構文について
分詞構文の意味上の主語が、主節の主語と異なる場合には、分詞構文の分詞の前に主語をおく必要があり、そのような分詞構文の文を独立分詞構文と呼びます。
例えば次の文を見てみましょう。
She visiting her boyfriend’s home, he was watching TV.
彼女がボーイフレンドの家を訪れたとき、彼はテレビを観ていました。
このように、主節の主語がheであるのに対し、従属節である分詞構文の節の主語はsheとなります。
このように主節と従属節の主語が異なる場合は、分詞構文の前に意味上の主語を示す必要があるため、主語を分詞の前に置きます。
それでは、例文で確認してみましょう。
We will go hiking tomorrow, weather permitting.
天気が良ければ、私たちは明日ハイキングに行きます。
この文は主節と従属節の主語が異なるため、permittingの前に主語を置きます。
なお、weather permittingは慣用表現ですのでこのまま覚えましょう。
次の例文を見てみましょう。
The rain being over, they started to hold a party outside.
雨が止んだので、彼らは外でパーティーを始めた。
付帯状況のwithについて
付帯状況とは、物事が同時進行に起こることを言い、独立分詞構文を用いて表すことができます。
独立分詞構文を用いて付帯状況を表す場合には、独立分詞構文の前にwithをつけて表すことが多いです。
例えば次の文を見てみましょう。
The girl went home with tears running down her cheeks.
その少女は、頬に涙を流しながら家に帰った。
この文章では、with tears running down her cheeksが独立分詞構文にwithをつけた部分です。
まず、主節の主語がthe girlであるのに対し、分詞構文の意味上の主語が異なるため、主語であるtearsを分詞の前に置いています。
そして、「涙を流しながら」と「家に帰った」が同時進行に行われているため、付帯状況のwithをつけて同時性を表しています。
それでは、例文で確認していきましょう。
She sat on the sofa with her legs crossed.
彼女は足を組んでソファに腰掛けた。
もう1つ見てみましょう。
He was seeing them off at the airport with his hand waved.
彼は、手を振りながら空港で彼らを見送った。
分詞構文の慣用表現について
ここでは、分詞構文の慣用表現をご紹介します。
日常会話でも使われることが多く、使いやすい表現となりますのでぜひ覚えましょう。
今回ご紹介する慣用表現は次の5つです。
・Considering 〜
・Granting that 〜
・Judging from 〜
・Generally(Strictly、Frankly、 Roughly) speaking 〜
・Talking(Speaking) of 〜
それぞれ確認していきましょう。
慣用表現1:Considering 〜
Considering 〜は「〜を考えると」という意味になります。
例文:
Considering her abilities, she should have done it better.
彼女の能力を考えると、もっとうまくできたはずなのですが。
Considering tomorrow’s weather, we should stay at home.
明日の天気を考えると、家にいた方がよいです。
慣用表現2:Granting that 〜
Granting that 〜は「〜だとしても」という意味になります。
例文:
Granting that she has enough money to buy the bag, she should not buy it.
彼女にそのバッグを買う十分なお金があったとしても、買うべきではない。
Granting that he has abilities to be a doctor, he won’t be.
彼に医者になる能力があったとしても、彼はならないでしょう。
慣用表現3:Judging from 〜
Judging from 〜は「〜から判断すると」という意味になります。
例文:
Judging from his expression, he could be in bad health.
彼の表情から判断すると、彼は体調が悪いかもしれない。
Judging from the look of the sky, it will rain this evening.
空模様から判断すると、今夜雨が降りそうだ。
慣用表現4:Generally(Strictly、Frankly、 Roughly) speaking 〜
Generally(Strictly、Frankly、 Roughly) speaking 〜は「一般的(厳密に、率直に、大まかに)に言うと」という意味になります。
例文:
Generally speaking, men are stronger than women.
一般的に言うと、男性は女性よりも力が強い。
Frankly speaking, current work is boring.
率直に言うと、現在の仕事は退屈だ。
慣用表現5:Talking(Speaking) of 〜
Talking(Speaking) of 〜は「〜と言えば」という意味になります。
例文:
Talking of travel, what countries did you go to?
旅行と言えば、あなたはどの国に行ったことがありますか?
Speaking of sports, I play soccer every weekend.
スポーツと言えば、私は毎週末サッカーをしています。
今回は分詞構文を使いこなすために、独立分詞構文や慣用表現などをご紹介してきました。
これをマスターできれば分詞構文はバッチリなので何度も練習してくださいね!