助動詞については、助動詞の基礎をご説明した記事(【これだけ!】英語助動詞の基礎)でよく使われるものについて解説してきました。
今回は、前回ご説明できなかったものも含め、次の単語について解説していきたいと思います。
・can、could
・may、might
・must、have to
・should 、ought to
・will、would
さて、これらの単語はそれぞれ複数の意味を持ちますが、これらが共通して持つ意味はなんでしょうか?
それは「推量」を表す意味です。
推量とは「〜だろう」、「〜のはずだ」というように訳すことができます。
例えば、「彼女は1時間でこのカフェに着くはずだ。」はshouldを使って’She should get to this cafe in an hour.’と表すことができますし、mustを使うと’She must get to this cafe in an hour.’、「彼女は1時間でこのカフェに着くに違いない。」と表現することができます。
本日は推量の意味を表す助動詞について、他の意味を持つ場合はその意味も補足しつつご説明していきます。
推量を表す助動詞1:can, could
まずはcanとcouldについてご説明します。
推量を表すcan
canは否定文で使われる際に、「〜でありうるはずがない」という可能性・推量の意味を表します。
この用法は肯定文では使うことができませんが、疑問文で使うことは可能です。
例文を見てみましょう。
She can’t come here.
彼女がここに来るはずはない。
He can’t believe that.
彼がそれを信じるはずはない。
推量を表すcould
couldは「〜かもしれない」という、現在または未来の推量を表します。
話し手の確信度はかなり低いです。
例文:
My father could go back home early today.
私のお父さんは今日、早く帰ってくるかもしれない。
She could be good at cooking.
彼女は料理が得意かもしれない。
推量を表す助動詞2:may, might
mayとmightは’may(might)+have+過去分詞’の形で用いると「〜したかもしれない」と過去や完了したことに対する現在の推量を表します。
早速例文を見てみましょう。
She may have failed the university entrance examination.
彼女は、大学入学に失敗したのかもしれない。
He might have told a lie.
彼は嘘をついたのかもしれない。
推量を表す助動詞3:must, have to
mustとhave toには「〜にちがいない」と推量を表す使い方と、「〜しなければならない」と義務を表す使い方があります。
推量を表す使い方
まずは推量の意味ですが、この使い方をする場合、通常動詞はbe動詞や状態動詞が一緒につかわれます。
She must be a doctor.
彼女は医者にちがいない。
He must know the truth.
彼は真実を知っているにちがいない。
He has to like her.
彼は彼女が好きにちがいない。
You have to be hungry.
あなたはお腹が空いているにちがいない。
義務を表す使い方
次に義務を表す使い方ですが、「〜しなければならない」と訳すことができます。
それぞれのニュアンスですが、mustは話し手によって課された義務を表し、have toは外部事情によって課された義務を表します。
それぞれ例文で確認しましょう。
I must go to the office by 8 o’clock.
I have to go to the office by 8 o’clock.
私は8時までにオフィスに行かないといけない。
どちらも同じ意味ですが、mustを使った文は話し手自身が8時までにオフィスに行くという義務を貸しています。
状況としては、朝勉強するためや、昨日終わらなかった仕事を終わらせたい、などのシチュエーションが考えられるでしょう。
一方、have toは外部要因で8時までにオフィスに行くことを貸しているため、始業が8時であるなどの状況が考えられます。
もう1つ見てみましょう。
I must visit my old friend.
I have to visit my old friend.
私は古い友人を訪ねなくてはいけません。
こちらも同様にmustは自分で義務を貸しているため、何か話すことがあって訪ねる必要があるなどのシチュエーションが考えられるのに対し、have toは古い友人から訪問するよう言われたなどの外的要因が考えられます。
推量を表す助動詞4:should, ought to
次に推量を表すshouldとought toについてご説明します。
これらは「多分〜だ」、「〜のはずだ」という推量の意味を表します。
推量を表すshould
shouldは「多分〜だ」、「〜のはずだ」という推量の意味を表します。
なお、ニュアンスとしては話しての疑いが残っており、mustよりも弱い推量を表します。
例文を見てみましょう。
She should go back to her hometown.
彼女は帰省しているはずです。
My mother should go shopping at the supermarket near my house.
母は家の近くのスーパーマーケットに買い物に行っているはずです。
推量を表すought to
ought toも「〜のはずだ」という推量の意味を表します。
shouldとほぼ同じニュアンスで、mustよりも弱い推量を表します。
また、ought toのあとの動詞はbe動詞や状態動詞になります。
例文を見てみましょう。
He ought to be at home.
彼は家にいるはずです。
She ought to like sushi.
彼女はお寿司が好きなはずです。
推量を表す助動詞5:will, would
最後にwillとwouldについてご説明します。
推量を表すwill
話しての確信度が高い時はwillが使われ、「〜だろう」という推量を表します。
He will be at the office now.
彼は今オフィスにいるだろう。
I will pass the exam.
私はテストに受かっただろう。
推量を表すwould
話しての確信度が低い場合はwouldが使われ、「〜かもしれない」という推量を表します。
She would hate me.
彼女は私を嫌っているかもしれない。
My sister would live by herself.
私の妹は一人暮らしをするかもしれない。
ここまで推量の意味を持つ助動詞についてご説明してきました。
たくさんご紹介したので混乱している方もいると思いますので、確信の度合いについて下記の通り並べたものをご紹介します。
右に行くほど話し手の確信度が高くなっていきます。
(低)could, might, may, can(否定文・疑問文), should, ought to, would, will, must(高)
助動詞は話者の考えによるところが多く、状況によっても変わるため、上記だけで判断することは難しいかもしれませんが、ご自身でも意識して使いながら覚えていきましょう。